個人情報はどう守られるのか
同期ジョブでは、顧客リストの識別子をハッシュ化してから広告媒体に送信します。この記事では、個人情報がどの段階でどう処理されるかを説明します。社内の情報システム部門・法務部門への説明にも利用できます。
このページで分かること
- 生の個人情報が広告媒体に送信されない仕組み
- ハッシュ化がどの段階で行われるか
- 配信停止希望者(オプトアウト)が確実に除外される仕組み
- 媒体側で何が行われるか
- 同期に失敗したデータの取り扱い
前提となる考え方
DECA Ad の同期ジョブは、媒体に渡すのはハッシュ値だけという設計になっています。メールアドレスや電話番号といった識別子は、DECA Ad の内部で正規化とハッシュ化を経てから送信されます。
この処理は、Customer Match・類似オーディエンス・Customer Exclusion のすべてのジョブタイプで共通です。除外オーディエンスのアップロードパイプラインは Customer Match と完全に同一で、異なるのは最後の適用ステップだけです。
処理の順序
同期ジョブの実行では、次の順序で処理されます。媒体へのデータ送出は必ず最後です。
| 順番 | 処理 | 個人情報の状態 |
|---|---|---|
| 1 | 顧客リストの取得 | DECA Ad 内 |
| 2 | 重複除去(ハッシュ化したメールアドレスを一意キーとする) | DECA Ad 内 |
| 3 | グローバルオプトアウトの適用 | DECA Ad 内 |
| 4 | 抑制リストの適用 | DECA Ad 内 |
| 5 | アップロード前の検証(最低オーディエンスサイズ、配信先の適格性など) | DECA Ad 内 |
| 6 | 正規化 → SHA-256 によるハッシュ化 | ここでハッシュ値になる |
| 7 | 媒体へアップロードし、オーディエンスIDを受け取る | 媒体に渡るのはハッシュ値 |
この順序は固定です。グローバルオプトアウトは、DECA Ad からデータが送出される前に必ず適用されます。 類似オーディエンスのシードとして使う顧客リストも例外ではありません。
ハッシュ化について
- ハッシュ化のアルゴリズムは SHA-256 です
- 識別子は正規化してからハッシュ化します
- ハッシュ化は媒体へのアップロード前に行われます。生の識別子が媒体に送信される設計にはなっていません
- 重複除去にもハッシュ化したメールアドレスを使います。生の値を突き合わせる処理は行いません
媒体側で行われること
DECA Ad が媒体に送るのはハッシュ値です。媒体はこれを受け取ってオーディエンスを作成し、DECA Ad はそのオーディエンスIDを受け取って以降の管理に使います。照合そのものは媒体側で行われるため、照合率や照合の方式は各媒体の仕様に依存します。
類似オーディエンスの場合も、シードとして送るのはハッシュ化された識別子です。似た特性のユーザーを探す処理は媒体側で行われます。
配信停止希望者(オプトアウト)の扱い
グローバルオプトアウトは、法令遵守を目的とした全社共通の除外です。同期ジョブごとの設定ではなく、すべての同期ジョブに自動的に適用されます。
- 適用のタイミングは、媒体へのデータ送出よりも前です
- オプトアウトの処理は日次で実行され、毎日 10:00 JST の優先ウィンドウで最優先(Priority 1)として処理されます
- オプトアウト処理は通常の同期ジョブより優先されます。通常の同期ジョブは、この時間帯に待機することがあります
- オプトアウト処理自体が失敗した場合も、リトライ時に最優先が維持されます
抑制リスト・除外オーディエンスとの違いは 「除く」3つの違い で詳しく説明しています。
除外された件数の記録
同期のたびに、除外された件数が監査ログに記録されます。グローバルオプトアウトによる除外件数と、抑制リストによる除外件数は区別して記録されます。重複除去で取り除いた件数も記録されます。
同期ジョブの作成・変更・削除・状態変更も、実行したユーザー・日時・変更内容とともに記録されます。
同期に失敗したデータの扱い
リトライを尽くしても同期できなかったデータは、原因調査と再処理のために保持されます。保持されるデータは保存時に暗号化され、アクセスは権限を持つ担当者に限定されます。
用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 正規化 | 識別子を突き合わせ可能な形式に整えること |
| ハッシュ化 | 元の値に戻せない固定長の値に変換すること。DECA Ad は SHA-256 を使用 |
| グローバルオプトアウト | 配信停止希望者の全社共通の除外。すべての同期ジョブに自動適用される |
| オーディエンスID | 媒体側で作成されたオーディエンスの識別子 |
| 監査ログ | 誰がいつ何をしたか、何件が除外されたかの記録 |
よくある誤解
- 「媒体にメールアドレスがそのまま渡っている」 — 渡りません。送信されるのは正規化後に SHA-256 でハッシュ化した値です
- 「オプトアウトはCustomer Matchにしか効かない」 — すべてのジョブタイプに効きます。類似オーディエンスのシードにも適用されます
- 「抑制リストを設定しないとオプトアウトが効かない」 — 別物です。グローバルオプトアウトは設定不要で常に適用されます
- 「オプトアウトの反映は同期のたび」 — オプトアウトの処理は日次 10:00 JST に最優先で実行されます